元料理人で現コンサルなラヲタ

40代/男性

・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています。
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています。
・麺の加水率やスープの甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。答え合わせのご参考に。
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢です。
・プラチナ会員ですが抽選販売は直近29回中26回落選、新商品は全滅で毎回先着販売で買っています。
・麺が解れない原因は強く固めているからではなく、打ち粉が少ないか、配送時の結露による麺表面の糊化が考えられます。コツとしては思い切って麺を取り出してレンチンし、軽く解して茹で直すと解決出来る場合があります。

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2025年04月16日

麺は平打の太ストレートで、幅広ですが麺帯は薄くピロピロとしています。
中華麺ではありますが、タリアテッレのようなパスタ感というか、どちらかというとヌイユを意識したようなイメージで、
滑らかでコシも強くモチモチとした弾力性があります。
 
まずはこの麺と別パックのガーリックオイルを和えるところから本品の調理はスタートします。
この時点でトリュフが香りますが、ニンニクの風味はそれを上回る強さで、
スープをかける前の油麺の状態で数本食べておくとよりニンニクとトリュフを堪能出来ると思います。
 
スープは白濁したクリーミーな動物系で、牛と共に豚の風味も分かりやすく出ていますが、臭みは一切ありません。
またバルサミコの甘味酸味や紹興酒の風味など、カエシの構成が以前販売されていた八咫烏式二郎系に似ており、塩味も含め全体的に味はやや濃い目です。
こちらを麺にかけるのが第二工程です。
 
付属トッピングは牛ほほ肉の煮込みとフォアグラが一緒にパックされています。
ブイヨン感もあるソースはトリュフの香りが立っており、フルーティな甘味酸味の効いた濃い味付け。
牛頬は冷凍の鮮度的な臭みが多少気になりましたが、ほろりと程々に軟らかく煮込まれています。
フォアグラも風味が落ち気味な上やや淡白で濃厚さに欠けますが、保存状態的にも致し方ないかもしれません。
 
こちらを綺麗に盛り付けるのが最終工程ですが、麺の上に直接乗せるとソースの味がスープへ一気に干渉するため、ほうれん草のソテーなどを中間に敷いたほうがよいです。
調理が難しい場合は別皿盛りにする事で、味を見ながらスープに少しずつ加えたり、加えずに別々に頂くなど、好みに合わせた食べ方を自分でチョイス出来ます。
 
麺が終わった後は残ったスープにパンを添えたりライスでリゾット風にするのがお勧めされています。
どちらも試してみましたが、この味の濃さだとブルスケッタもガーリックライスも当然マッチします。
 
まずは麺とオイルを和え、次にスープを注ぎ、最後にトッピングを施す事で、段階的に味と風味が一つの形として作られてゆきますが、
全体的に味が濃いので、牛頬ソースとスープが融合した完成形まで進むと味がかなり濃厚になります。
麺はスープへ入れずに和え玉つけ麺スタイルにしたほうが、スープとの絡みを自分で調節できる分食べやすかったかもしれません。
 
所謂「牛頰肉のロッシーニ風」というフランス料理をラーメンに落とし込んだ形で、麺、スープ、具材の個々をみるとそれぞれ美味しいのですが、
全てをまとめたラーメン一杯として考えると、やや一体感を欠いてしまったような印象です。
 
使われている食材が食材な上、何より調理技術も多少求められる内容なので、料理や盛り付けが得意ではない方にはハードルがやや高いかもしれず、
4,320円+送料の一杯約5,500円という超ハイコスト商品である事も鑑みると、
冷凍ではなく実店舗で作りたてを頂くべきメニューだったのかなというのが率直な感想です。(本末転倒ですが)

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