2024年12月17日
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40代/男性
・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています。
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています。
・麺の加水率やスープの甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。答え合わせのご参考に。
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢です。
・プラチナ会員ですが抽選販売は直近29回中26回落選、新商品は全滅で毎回先着販売で買っています。
・麺が解れない原因は強く固めているからではなく、打ち粉が少ないか、配送時の結露による麺表面の糊化が考えられます。コツとしては思い切って麺を取り出してレンチンし、軽く解して茹で直すと解決出来る場合があります。
2024年12月17日
8
スープはまろやかに乳化した豚鶏醤油ベースで、適度なキレと酸味もあり、重さはなくあっさりとしています。
塩分濃度は約2.0%と二郎インスパとして考えるとやや控え目ですが、普通のラーメンとして考えると充分濃い目の味付け。
カエシに和洋中の要素が取り入れられており、ワインや紹興酒の香りを乗せるなど風味は複雑で、一般的な二郎インスパ系を意識していると違和感を覚えるかもしれません。
麺は加水率低めの角刃平打ち太ウェーブ。
麺肌に凹凸がありスープの絡みと吸い上げが良く、オーション感の伝わるモチポクのやや軟らか目な食感は二郎直系に似たイメージ。
二郎インスパ系によくある極太のワシゴワ食感とは別のタイプです。
付属トッピングはブタではなく皮をこんがりと焼いた鶏もも正肉チャーシューが1枚。
ニンニクと豚背脂の効いた甘口の醤油ソースで味付けされており、
このソースをスープに溶かすとあっさり目のスープにコクとパンチとジャンク感が生まれます。
二郎のニンニクアブラカラメコールがこのソース1つで表現されているという訳ですね。
ただヤサイを乗せないと鶏チャーシューとソースにより塩味のバランスが崩れる為、バランサーとしてヤサイの追加トッピングは必須、少なくともモヤシは100g程度乗せましよう。
ちなみに画像5枚目は店主お勧めレシビの再現料理で、
バルサミコ酢、蜂蜜、EVO、フルール・ド・セル、ワイルドペッパー、宗田節のマリナードをフレッシュトマトに絡め、
卵黄と一緒にライスに盛り付け、残りのスープをかけてあります。
甘酸っぱいトマトソースがスープの塩味、鰹節の旨味、黒胡椒の刺激、卵黄のまろみと相まって、個性的な味わいを生み出す斬新なライスボウルとなっています。
ヤサイを乗せる前提の構成であったり、麺量約220g、鶏肉約200gとボリューミーであったりと二郎系のフォーマットをなぞらえてはいますが、
麺以外は二郎系各々の要素を独自に解釈した八咫烏式のオリジナルアレンジとなっており、こってりし過ぎずあっさりし過ぎず、醤油感や肉々しさなどは別々の角度から表現されています。
二郎系に期待されがちな暴力的インパクトや登山的ガッツリ感を求める場合は意に沿わないかもしれませんが、固定概念にとらわれなければ新感覚を存分に楽しめる一杯になっていると思います。