店主プロフィール
富田 治 店主
『東池袋大勝軒』の創業者・山岸一雄氏に憧れてラーメンの世界へ足を踏み入れる。
28歳のときに独立し『中華蕎麦 とみ田』をオープン。瞬く間に大行列のできる超人気店に。
山岸氏への強いリスペクトから、仕事着には自身の名前ではなく同氏の名前の刺繍を入れている。
店舗情報
中華蕎麦とみ田
<住所>
〒271-0092
千葉県松戸市松戸1339
<営業時間>
11:00~15:00
水曜定休
※麺、スープ切れ次第終了
※平日は朝8時、土日祝日は朝7時より食券を販売
※予約サイト「OMAKASE」で毎週火曜日12時30分から予約可能
<公式HP・SNS>
https://www.tomita-cocoro.jp
https://twitter.com/tomitahonten
雷 北松戸本店
<住所>
〒271-0063
千葉県松戸市北松戸3-1-76
<営業時間>
11:00~24:00
無休
ーお忙しい中、貴重なお時間を頂きありがとうございます。本日はよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
ー今回でつけ麺大賞はなんと5連覇!2012年に『宅麺.com』で販売を開始して以来、大賞しか受賞していないのは全商品の中でも『中華蕎麦 とみ田』の「つけめん」だけでした。
へー、そうですか!あまり気にしたことはなかったですけど。
ー今回はそれに加えて『雷 北松戸本店』の「雷そば」がインスパイア大賞を獲得ということでW受賞となりました。「つけめん」は殿堂入りにもなりましたが、そのあたりのご感想はいかがでしょうか?
そうですね、毎年毎年ですけど「1つの結果として今年も大賞を頂いた」というところで、僕の中では割と、自分が1年間やってきたことに対しての答え合わせになっているんですよね。間違っていない方向性だったんだなと。
継続してお客様に支持をされるということは、自分がやってきたことに対しての、目に見える総評だと思います。だから素直に嬉しいですし、来年も引き続き、より勉強しながら美味しいものを作れたらなと思います。
ーありがとうございます。では改めて『宅麺.com』との出会いから出店に至るまでの経緯を教えて頂けますか?
僕は最初、宅麺が生まれる前から別のところで通販をやっていたんですよね。後からできた宅麺が何度も営業に来ていたんですけど、言ってしまえば商売敵ですから、その時付き合いのあったところに筋を通すためにも断っていました。
ーやはりそう簡単にはいかないと。
それでも宅麺から継続的に連絡は来ていましたよ。でも1年、2年と平行線になってる間に、うちが『雷』や『富田食堂』をオープンしたんです。そしたら今度は「セカンドブランドから出しませんか」って誘いが来て。
ーそこで始めに『雷 北松戸本店』を出店して頂けたんですね。
そうですね。それからも紆余曲折あって、とみ田はすぐには出店しなかったんですけど、僕が付き合っていたところが通販をやめたことと、僕にとって兄貴のような存在の『無鉄砲』の赤迫さんが宅麺をやると聞いたことがきっかけで出店を決めました。
でも結局『無鉄砲』は当時、その1回きりだったんですよ。騙されました笑。
ーそうだったんですね笑。それにしてもかなり昔から通販やお土産ラーメンに積極的に取り組まれていますが、何かきっかけがあるのでしょうか?
昔、東池袋大勝軒のマスター(山岸一雄氏)が、営業終わりにタッパーを持ってきたお客様に、スープを詰めてお持ち帰りを提供していたのを見ていたんですよね。
これが僕は割と起源だと思っていて、自分が店を持ったときには必ずやりたいと思っていたので、とみ田をオープンした最初の年から同じことを始めました。
ー山岸さんの姿は富田店主の目にどう映ったのでしょうか。
マスターはさ、1人前を頼んだお客さんがいたとしますよね。普通なら麺300gのところを400g入れたり、お店なら半分に割って出される玉子をまるごと1個出したりしてたんですよ。
家で食べてもらうんだから多い分にはいいだろうっていう、そういうマスターの心意気みたいなところがかっこいいなと思ったんですよね。
ー自分がお客さんだったらまた買いに行こうって思いますね。そういう心意気の部分まで受け継がれていると。
そこは大事にしないとダメだと思いますよ。だって、マスターがつけ麺というものを生み出して、その恩恵を受けて僕らは今、商売ができているんですよ。そのことを絶対忘れちゃいけないし、強いリスペクトを持っています。
ー昨今はコロナ禍で、たくさんのお土産ラーメンやラーメン通販サイトが生まれていますが、それについてはどう思われますか?
今はラーメンに限らずどこの飲食店も大変なので、生活のために新しいビジネスを始めることは当然といえば当然だと思います。ただ、僕らとはスタートの目線が違うと思うんですよね。
ーと言いますと。
僕らのスタートは「お店に来られない人に本物のラーメンを届けたい」という想いですよね。それを一貫してきたからこそお客様から信頼を得て、付いてきてくださるというのをコロナ禍で強く実感しました。
うちは比較的(会社として)体力があると思っていて。だからこそ今は、少し原価が高くても、もっと苦しい思いをしている人たちの立場に立って商売をするのは当然だと思いますし、自分が消費者目線に立った時に、またリピートしたいと思うかどうかは常に考えています。
ーまさに『宅麺.com』も同じ想いからスタートしています。どんな状況下でも初心を忘れないことが大切だということですね。
その想いがないと世の中が落ち着いたときにお客様は付いてきてくれないと思います。
今回は昔から地道に続けてきたお土産が活きてきて、「そういえば、あそこはお持ち帰りと通販やってたよな」とお客様に思い出して頂けたのが強かったなと感じますね。
ーそんなコロナ禍で、昨年の4月には初のオンラインラーメンイベント「真ラーメン祭り絆 in 宅麺.com」を開催されましたが、今後の開催も考えておられますか?
ぜひやっていきたいですよね。店舗に来ない、あるいは来られないお客様は絶対にいらっしゃるんです。そういった方には店舗に来られるお客様とは別のアプローチが必要なので、「真ラーメン祭り絆」のようなオンラインイベントで楽しんで頂きたいなと思います。
それにこんな状況が続いてて世間が暗いじゃないですか!せめてネット上で明るいイベントを届けたいっていう思いはありますね。
ー昨年は、神奈川の『らぁ麺 飯田商店』や群馬の『つけ麺 弥七』など、全国の有名ラーメン店が一同に集結し、豪華な並びとなりました。
そうですね。みんな忙しい中、僕が声をかけて快諾してくれる店主さんが多いのは、僕が今でも毎日、厨房に立ち続けているのが信用になっているからだと自分では思ってます。
皆ラーメンに真摯に向き合っている店主さんばかりなので、好みは違えど、そういう人たちと一緒にイベントができるのは良いですよね。
ーいちラーメン好きとして今年の開催を心待ちにしております!!
ーそろそろ終わりの時間が近づいてまいりましたが、常にラーメン界のトップを走り続ける富田店主は今何を見ていらっしゃるのでしょうか?
独立して14年にもなるとやり尽くした感じがするんですよね。ただその一方で、まだ42歳だからもっともっとチャレンジしたいという思いがあります。守っていくのはつまらない。今は自分でもどう着地するのか分からない味に挑戦しています。
その変化を見て、味わって、楽しんでいただきたいですね。
ー最後に『宅麺.com』をご利用頂いているお客様へメッセージをお願い致します。
僕が通販を始めたきっかけは、お店に来られない方に本物のスープと麺を楽しんでいただきたいからです。宅麺はそういうラーメン店の想いを大切にして頑張っているのが伝わるので、引き続きご利用頂ければ幸いです。
僕は今後もブレることなくいい商品を提供していくだけです。